「おはよう、菜穂」



リビングに降りると、すでにお父さんとお母さんが起きていて挨拶をされる。



「……おはよう」



私も返事を返し、朝ご飯が置いてある席に座る。



「菜穂、ちゃんと荷物まとめた?」
「うん、昨日したよ」



上条くんたちが帰ってすぐ、私は荷物の準備をした。



だからもう荷物は完璧なのだが、心の準備はまだまだ。



「菜穂、ごめんな。
ちゃんと全部話してなくて」



どうやら二人とも、同棲の話も知っていたようで話すのをためらっていたらしい。



けど、上条くんが同じクラスの男の子だと知って、少し安心していたのは確かだった。