ダメだ、うまく頭が回らなくなる。 これだけで顔が熱くなってしまうなんて、やっぱりおかしい。 「菜穂、そんな可愛く照れても無駄だよ?」 「て、照れてない…から……」 「本当のこと言わないと、いいの? 前みたいな恥ずかしいことするよ?」 “前みたいな” それはきっと、図書室での出来事のことだ。 思い出しただけで、また恥ずかしくなって顔だけでなく全身が熱くなってしまう。 思い返せばあの日以来、ずっとこんな感じなのかもしれない。