総長さんが甘やかしてくる③



「ご飯抜きで済んでるのだって。たった一日か、せいぜい数日のことでしょ。それとも餓死しかけたの?」

「いえ……」

「“代わりに”変なもの食べさせられたりはしていないよね」

「変な……もの……って」

「聞いても気分悪いだけだろうし詳しくは言わないでおく」


もしかして。


「普通の神経してればとても食べられたものじゃないし、食べさせたりしないものを、平気で喜んで食べさせるヤバイやつ知ってるからさ」


(それ、燐さんの話、なんですか?)

 
「食べた方はお腹壊したり。なのにトイレに行かせてもらえなかったり。食中毒になったり。サイアクぽっくりいっちゃうよ。冗談抜きで。違法薬物とか危険だとされる薬品とかじゃなくて、案外身近なモノで人ってカンタンに壊せるんだ」

「……っ」

「『ドレイになれ』って、言われたんだったね。宗吾から」

「はい」

「言われただけだよね」

「……え?」

「実際には、ドレイというほどのことされてないよね」

「そんなことない。時間、奪って。見の周りのこと。なにもかもわたしに――」


あんな生活、ドレイと変わらない。


「それは、そもそもに、誰のせい?」


…………!?


「おばさんがやらせたんでしょ」

「…………」

「人は、絶対的に力の敵わない相手の前では従わざるを得ないんだよユウちゃん」