(え……)
「ユウちゃんの虐待を見過ごすなんてさ。『興味ありません』『関わりたくない』『勝手にして』って言ってるようなもんじゃん。まだ宗吾みたいに悪口言ってくる方が、かまってるし。どんな人間か分析しやすいなあ。宗吾は、優吾よりはまともそうだなって」
燐さんにとって、まともって、なんだろう。
「でもよ、燐」愁さんが口を開いた。
「優吾が敵だから宗吾が味方ってことにはならないよな」
わたしも愁さんと同じ気持ちでいる。
優吾さんが冷たい人だったとして、だから、宗吾さんは優しいってことにはならない。
「それはどうかなー」
「なんだと?」
「さっきユウちゃんの生い立ち聞いてて。思ったんだ。宗吾は、家でユウちゃんの唯一の話し相手だったんでしょ?」
「……え」
「他に家でまともに口きける人いた?」
わたしは、頭を横に振った。
「まとも……って言ってもオマエ。宗吾から、暴言受けてたんだぞユウは」
「愛情の裏返しだったりしてね。アマノジャクでさ。今日も心配してコッソリ見つけてやってきたとか」
「よくそんな考え方ができるな」
「可能性ゼロじゃないでしょ」
「だとしても。限りなく低いように思うが」
「まあ、聞いてよ。もし宗吾の独断でユウちゃんを迎えにきたのなら。キミが側にいなきゃ嫌だとか。いつまでもキミを男の家に居させたくないとか。そんな独占欲が含まれてたりしないかな」
「そんな人じゃ、ないですよ」
「わかんないよー。ボクは宗吾と話がしてみたくなっちゃった。場合によっちゃ協力を要請する」
「協力?」愁さんが眉をひそめる。
「宗吾と一緒に戦うのさ」


