宗吾さんは、ここにわたしがいることを特定していると言った。
「それも考えなきゃだけど。何百とあるデマから真実見抜いちゃうような。そんなやつが動いてることが、ボクは一番厄介だなあ」
宗吾さんが情報を得るために動かした人物。
いったい、誰なの?
「敵か?……それとも」
「さあ。これは、あくまでボクの勘だけど。危害を与えるためなら、とっくに最初の一手を打ってきてそうな気がするよ。それがどうだろう。ボクたちはまだ無傷だ」
燐さんの言うとおりだ。
ここに警察を呼んで、わたしを連れ帰ろうと思えば、いつでもできる。
「安心しきったところに攻めてくる可能性もあるから。油断はできないけど」
「結局は、その、宗吾ってやつの出方次第か」
どうしよう。
宗吾さんが愁さんのこと悪者にしたら。
ここに強引に連れてきたとか。
誘拐犯だとかいって騒いだら――。
「通報しないのかな」
「それがユウを連れ戻すには手っ取り早いよな」
「んー、依然として新たな報道はないみたいだけどなあ」
燐さんがキーボードを見ずにカタカタと操作している様子から、パソコンに相当慣れていることがわかる。
「まさか、警察がもみ消しちゃった? さすがにお偉いさんの息子が話題の少女をかくまってました、じゃ大問題だもんね。穏便に済むように水面下で示談交渉でも始まっていたりして。愁、パパがお冠かもよ」
「いや。それなら既に俺になんらかの連絡が来るはずだろ」


