総長さんが甘やかしてくる③



宗吾さんは、ここにわたしがいることを特定していると言った。


「それも考えなきゃだけど。何百とあるデマから真実見抜いちゃうような。そんなやつが動いてることが、ボクは一番厄介だなあ」


宗吾さんが情報を得るために動かした人物。

いったい、誰なの?


「敵か?……それとも」

「さあ。これは、あくまでボクの勘だけど。危害を与えるためなら、とっくに最初の一手を打ってきてそうな気がするよ。それがどうだろう。ボクたちはまだ無傷だ」


燐さんの言うとおりだ。

ここに警察を呼んで、わたしを連れ帰ろうと思えば、いつでもできる。


「安心しきったところに攻めてくる可能性もあるから。油断はできないけど」

「結局は、その、宗吾ってやつの出方次第か」


どうしよう。

宗吾さんが愁さんのこと悪者にしたら。


ここに強引に連れてきたとか。

誘拐犯だとかいって騒いだら――。


「通報しないのかな」

「それがユウを連れ戻すには手っ取り早いよな」

「んー、依然として新たな報道はないみたいだけどなあ」


燐さんがキーボードを見ずにカタカタと操作している様子から、パソコンに相当慣れていることがわかる。


「まさか、警察がもみ消しちゃった? さすがにお偉いさんの息子が話題の少女をかくまってました、じゃ大問題だもんね。穏便に済むように水面下で示談交渉でも始まっていたりして。愁、パパがお冠かもよ」

「いや。それなら既に俺になんらかの連絡が来るはずだろ」