「しかしセンセイ。いくらなんでも依頼料、高くないですか? 相手は高校生ですよ。そりゃあ、ヤバい案件で。トップシークレットだから。一歩間違えればセンセイがどうにかなっちゃうリスクを大いに背負ってますが」 「素子(もとこ)」 探偵が、助手の腕を引き膝の上に座らせる。 「な、なんですか」 「金なんて。うまくまとまったら。返してやってもいいんだ」 「は?」 「度量を知りたかった」