総長さんが甘やかしてくる③



幻は、俺とはちがう。

この少女に振り回されるような男ではない。


それでもカスミは

幻を一途に、思い続けてきた。


“切ない”と。言っていたな。

その言葉はきっと、彼女の、紛れもない本心なのだろう。


「お待たせ」


俺の前にまわりこんできたカスミは、白のセーラー服姿だった。


「女子というのは。もっと、支度に時間のかかる生き物かと思っていた」

「下着つけてないからね」

「は?」

「うそだし。想像した?」

「……していない」

「しても。いいんだよ?」


こういうところ、
アイツに似てやがるんだよな。


だから余計に放っておけない気持ちになるのかもしれない。


もっともアイツの方が、斜め上で。


過激で。


心、揺さぶりやがって。


俺のこと求めてきやがるから。


ある程度、免疫ついてんだよな。


でなきゃカスミ相手に

こんなに冷静になれなかっただろう。


……おかしな話だが。


燐の方が、100倍手強い。