「幻のこと、見つけて。どうするの?」
「どうにかしたい」
「間に合わなかったら?」
「それでも。向かわなきゃならねえ」
「あたしも。行って、いい?」
声が、震えているな。
そんな状態で連れて行くことに不安はあるが
「ああ。車に乗ってくれるか?」
……ここに置いていくほうが心配だな。
「…………乗る」
「そうか。だったら――」
立ち上がったカスミが、シャツをまくりあげる。
「バカか……! 俺が出ていってから、脱げ」
「あはは。そんなに照れなくてもいいのに」
見えた、よな。確実に。
パンツと。
くびれたウエストと。
豊満な――
「敵に背中向けるのって。どーなの?」
下乳だけなら。ギリ、セーフか。
いや。
アウトだろぉ……!?
「俺のこと。男だと思ってねーな?」
「どうせ、あたしに手を出す勇気。シュウにはないでしょ」