――玄関の扉が閉まる音がして目が覚めた。 (幻が戻ってきた……?) ううん、それはない。 どのくらい意識を失っていたかわからないけど いくらなんでもはやすぎる気がした。 だったら ――そこにいるのは、誰……? 眠ったフリして 相手の出方を探るしかないと、思った。 「起きてくれ」 相手は、男。 声のトーンは低く。 ここであたしが眠っていることに 動揺していないみたい。 落ち着いている。 足音からして、入ってきたのは一人。 奥にまだ仲間がいないとも限らない。