たぶん
ドキドキ…してるんだと思う。
変に意識してんのかな、アタシ。


「熱はなさそうだけど…
 疲れてる?
 まさかまた仕事、根詰めてるんじゃ…」

「違いますよ、大丈夫。
 陽向さん気にしすぎです」


この人も煌月も
アタシの事故の話を聞いたせいか
神経質になってるように思う。


「もし…
俺がこの前言った事を気にしているなら
 それは、忘れていいからな?」

「え…」

「アメリカ行きの話…
もちろん一緒には来て欲しい。
だけど、その事が原因で悩んでいるなら
忘れたほうがいいと思う」

「陽向さん…」

「付き合ってたとき
別れを切り出したのは俺だ。
それでセツナを傷つけたのに、今更また…なんて
そんな虫のいい話を受け入れてもえないと思ってるから。
断られても仕方ないんだ」


確かにその事で悩んでる。
別れた恋を引きずったし
フった元カレと再会して戸惑ったりもした。

だけど今はちゃんと向き合ってる。

だからそんな簡単に忘れるほど
アナタの覚悟があっての誘いを軽んじてない。