キャンプが終わって
1カ月くらい経った日曜日の朝―――


「あ・・・煌月じゃん」

「…よう」


マンションの玄関先で
バッタリ偶然の再会。

仕事じゃ毎日会ってるけどね。


「帰ってきたの?」

「いや、部屋の掃除に来ただけだ」


そう言って手に持っていたのは
ゴミ袋2つ。
月曜日がゴミの日だしね。


「そうなんだ…。
 なんかその様子だと
 もうココには帰ってこなさそうじゃん」


って、ちょっと意地悪く
鎌をかけたつもりだったのに。


「そうなるかもな」

「え…」


予想外の反応だった。

“そうなるかも”って
要は部屋を解約するって事?


「早乙女さんと一緒に暮らしてる方が
 案外楽しくなっちゃったとか?」

「は?なんだよそれ。
 そんなんじゃねぇよ」


否定なんてしてるけど
そういう事でしょ。

最近のアンタの顔見れば
それくらい察しがつくよ。

本人には言わないけどね。
無駄に喧嘩になるだけだろうし。


「そういう自分も。」

「え?」

「陽向さんと
 ヨリ戻りそうじゃねぇか」

「はぁ?」

「俺にはそう見えるって事」


何言ってんの、このバカ…