その後。

上の判断で
アタシと早乙女さんは
キャンプ続行は不可能と判断され帰る事になり
1日目にして遭難しただけの
苦い思い出が残る社員旅行で終わってしまった。

彼等2人は仕事の立場上
残らないといけないみたいで
3日間を満喫したんだろうけど.


なんと言うか…
陽向さんと顔を合わせづらかったから
途中棄権して良かったかもって
ちょっと思ってる。


しかしこのキャンプをキッカケに
アタシは意識的に陽向さんを避けるようになり
早乙女さんは煌月ラブ度が
以前より更にグレードアップしたようで
気付けばずっと傍に寄り添っている。
人目を憚らず会社内でも腕を組んでるけれど…
それは社会人として大丈夫なモノなのだろうかと
こっちがヒヤヒヤしてしまうほど。

だけど1番ビックリしたのは
煌月の早乙女さんへの態度だ。


アレだけ迷惑そうだったのに
今は嫌がる素振りが微塵もない。
拒む事も見受けられない。

あのキャンプで彼女が遭難し
命の危険を感じて心配したからか…

アイツの中で
早乙女さんに対しての何かが
変わったのかもしれない―――