「フランスの美味しい赤ワインがあるんだけど
 セツナさん一緒にどう?
 あ、その前にワインは飲めるかしら?」


そう言って鞄から取り出したワインボトル。
吹雪さんアナタ…
いつの間に会社にワインを持ち込んでいたんすか?
そしてそんなデカいモノをどこに隠し持っていたんすか。


「ワインはあまり飲まないですが…
 少しなら…」


さすがに職場の人からの誘いに断るワケにも…ねぇ。


「良かったぁ~!
 断られるかと思ったから安心したわぁ~
 仕事の話もしたいし
 それ以外でもセツナさんとは
 もっと仲良くなりたいから
 今晩はお邪魔させてもらうわね」


嬉しそうにニコリと微笑む吹雪さん。
“仕事以外でも仲良く”って…
どうしてそんなにアタシを気に入ってくれたんだろう…


若干の謎が残る中
アタシは彼女と一緒にマンションへと帰宅。

他愛もない会話を繋げ←必死。
無事に乗り切り到着すると。

ちょうどアタシ達が
マンションに入ろうとしたところを
同時刻に帰宅した煌月が目撃。


「アイツ…
 吹雪さんと一緒に入ってった…?」


声を掛けるワケでもなく
不思議そうな顔をしながら
アタシ達の後ろ姿を見送った。