「お祝い…?」

「誕生日…だから
 私がジン君と一緒にいたかったの…」


その言葉を聞いた瞬間
『やべぇ…そういう事だったのか』と
やってしまった感でいっぱいになったのは言うまでもない。

そして同時に
今初めて彼女の気持ちを知ったらしい。
疎すぎるぞモテ男。


「ご…めんなさい…
 怒らないで…
 もう二度と…しないから…」


溢れて止まらない涙を拭いながら
必死に反省の言葉を伝える女のコに対し
泣かせてしまった事への後悔に苛まれる鈍い男。


「も、もういいから。
 誕生日だった事を忘れてたとは言え
 そんな思いさせたのは俺も悪かったし…
 まさかヒナコの気持ちも知らんかったから…
 なんていうか…」


急に弱ッ

なだめようとしているのか
謝ろうとしているのか
オドオドしすぎて煙草の灰を足元に落とす始末。

典型的な“女の涙に弱いタイプ”みたいだ。
ツンデレか?


「七星さんにも…
 ヒドイ事しちゃった…」

「え?」

「ごめんなさい…私…」


謝りながら泣き崩れる早乙女さん。
煌月は彼女のその意味に
イヤな予感が頭を過った――