3秒後、きみと恋がはじまる。




茜くんの眉がぴくりと寄せられて、私を睨む。



「は?」


「私がしつこいから、付き合ってくれたんでしょ…」



はぁ、とため息をついた茜くんに、びくりと肩が揺れる。

呆れた?怒った?

…もう、嫌いになった?





「わかったよ。



……今度は俺が追いかける」





「え……?」



思いもよらない言葉に、茜くんの顔を見つめ返す。

なに、言ってるの……?




「桃」



……ずるい、名前、呼ぶなんて。


「っ、私、クラスの迷路戻らないと…」



「わかった。じゃあまた」




ゆっくりと、掴んでいた私の腕を解放する茜くん。

大好きなきみの体温がなくなったことが、勝手だけど少し寂しくて。


桃、って、呼んだ大好きな声が。


頭からずっと、離れなかった。