外からは、楽しそうなみんなの笑い声が聞こえる。
楽しい文化祭の、はずだったのになぁ。
ふとスマホを見ると、茜くんからの着信が来ていた。
電話が一度切れて、次は『どこにいる?』ってメッセージ。
電話に出ることも、メッセージを返すこともできないくせに。
何度もかかってくる電話が嬉しいなんて、私も性格悪いなぁ……。
「……っ、いた」
ガラリ、と開いたドア。
息を切らした、タキシード姿のままの茜くん。
「っ、…」
急いで逃げようと立ち上がるけれど、茜くんに腕を掴まれてかなわなかった。
「逃げんな」
「や……」
「ごめんって、悪かった」
なんで、なんで。
いつもは「好き」って素直に言えるのに、こういう時は素直になれないんだろう。
「……いいよ、もう。
だって茜くん、私のことそんなに好きじゃないもんね」



