3秒後、きみと恋がはじまる。



劇が終わったばかりの体育館でそんなことをしていたから、私たちはいつの間にか目立ってしまっていた。


みんなが「なに?喧嘩?」なんて囁きながらこっちを見ている。




「なに、喧嘩してるの?

…言ったよね。私、奪っちゃうよ」



にやり、と笑いながら近付いてきたのは、雪音ちゃん。


「おい、いい加減にしろよ」

茜くんが雪音ちゃんを睨んで、驚いたように怯んだ雪音ちゃんが、涙でぼやけた視界に映った。




「っ、勝手にすれば…!?」



雪音ちゃんが、キスなんてしなければ。
雪音ちゃんが、茜くんを奪おうなんて言わなければ。


……言わなければ、なんなんだろう。


好きって言ってくれないのも、桃って呼んでくれないのも、雪音ちゃんのせいじゃない。



意地を張って、驚く茜くんと雪音ちゃんを睨んで、走って体育館を出てしまった。

人気のない空き教室に入って、1人になった瞬間、後悔が襲ってくる。



「……なに、してるんだろ」