3秒後、きみと恋がはじまる。



困ったように眉を下げる茜くん。

困らせてばかりで、ごめんね。

わがままな彼女で、ごめんね。

茜くんが付き合ってくれてるだけでも贅沢なのに、欲張りで、ごめんね。




「やだ……っ」




「…ごめん、どうしたらいい?」



珍しく困っている茜くんが、いつになく優しい声で私をなだめる。




「っ、彼女なのに、「お前」ばっかりで名前で呼んでくれないし…

好きって言ってくれないし…

付き合う前と同じくらい、冷たいし…



私とだってキスしてないのに、他の女の子とキスしてほしくなかった……っ」






ああ、最低だ。

付き合ってもらえるだけで十分だったのに。


こんなこと言ったら、嫌われちゃうかもしれないのに。


茜くんの瞳が驚いたように揺れて、それが私の胸を締め付けて。


こんなこと、言いたいわけじゃなかったのに。


そういう冷たくて、それでもたまに優しい茜くんが、好きなのに。


だけど口から出た言葉は引っ込められなくて、ただ涙だけが頬を伝う。