「誕生日、教えて!」
「…教えない」
「嘘でもいいから!その日にお祝いするから!」
めげない私に、はあ、とため息をつく茜くん。
「……10月8日」
「ありがとう!覚えておくね」
茜くんの誕生日は10月8日!
本当に、他の女の子たちが聞いた誕生日とは違う。
当たり前か、全部デタラメだもんね。
それでもいいから、私は10月8日にお祝いするぞ!
脳内にしっかりと日にちを刻みつけて、教室に戻ったら手帳にちゃんと書いておかなくちゃ。
「茜…」
少し驚いた顔をして茜くんを見ている要くんには、私は気付かなかった。