3秒後、きみと恋がはじまる。




そっか。
本当に、したんだ。




「……なん、で」




ツンと目の奥が熱くなる。
じわりと瞳に涙の膜が張って、瞬きしたらこぼれてしまいそうだ。


泣きそうな顔を見られたくなくて、下を向いた。




「……ごめん」



わかってる。

茜くんは、悪くない。


雪音ちゃんが急に動いたから、避けられなかっただけだって、見ていたらわかる。

みんなが見てるから、劇の最中だから、怒るわけにいかないのもわかってる。


わかってる、けど。





でも、私が、彼女なのに。

彼女が、見てるのに。

彼女の私には、キスしてくれたことないのに。



瞬きしたらこぼれた涙が、頬を伝って。
一度落ちることを許されたそれは、次から次へと溢れてきて。



「……やだ」



「仕方ないよね」って笑って、許してあげればすぐに仲直りできたのに。

そしたら文化祭、一緒に回れたかもしれないのに。


だけどこぼれたのは、私の本音だった。