茜くんに、本当のことを聞きたい。
「違うよ」って言って、安心させてほしい。
そう思って茜くんに話しかけようとするけれど、白タキシードの茜くんは、女の子たちに囲まれていて近づくことができない。
……私も写真撮ってもらいたかったけど、それどころじゃない、かも。
さっきの2人のキスシーンが、頭から離れない。
……だって、私だってまだ、茜くんとキスしてないのに。
……茜くん、私の彼氏なのに。
「おい」
茜くんに近付けなくて、あの女の子の輪の中に入って行くほどの元気もなくて、しょんぼりとしながら教室に戻ろうとしていると。
後ろから手を引かれて、驚いて振り返ったら、王子様がいた。
「……あかね、くん」
茜くんは、いつになく気まずそうな表情をしていて。
「あー、ごめん」なんて、つぶやいた。



