「はぁ〜、茜くんに会いたい」
ユリとスミレに、「さすがに朝も昼も放課後も会いに行くのは嫌がられるよ」と言われてしまったので、会いに行くのは放課後だけにした。
私は、朝と昼と放課後、それだけでも足りないくらいいつも会いたいんだけれど。
校舎が違うって、寂しいなぁ。
私も頭が良かったら、特進科だったら、毎日茜くんに会えて。
教室に入れば茜くんがいて、授業中も茜くんのことを見つめていられるのに。
……いいなぁ、特進科に入りたい。
そんなわけで、茜くんにまだ会えていない昼休み。
私とユリとスミレは、3人で購買会にご飯を買いに来ている。
お昼の購買はご飯を買いに来た生徒で大混雑だ。
「あっ、これ新発売だって。美味しそう!」
「これも美味しそう〜!」
新発売のお菓子をたくさん見つけて、つい手に取ってしまう。
クランチチョコやホワイトチョコ、中にレーズンの入ったチョコなど、いろんな新発売チョコを手に取っていると。
「…そんな食うの?」
そんな声が上から降って来て、驚いて顔を上げた。
そこには茜くんがいて、私の手元にある大量のチョコレートを怪訝な顔で見ている。