「茜くん、が、あの時の男の子なの……?」 「……そうだよ」 「ごめん、私、あの頃の記憶、あんまりなくて…。 毎日 喘息のせいで苦しかったから、思い出したくなかったんだと思う」 「うん、そうだろうね」 だって、信じられなくて。 大好きな茜くんが、お医者さんになろうと思った理由が、私だなんて。 あの時、魔法をかけてくれた男の子が、茜くんだなんて。 そんな奇跡が、あるなんて。