3秒後、きみと恋がはじまる。




……こ、これ、茜くんのTシャツなんだよね。


茜くんの匂いがする、私には大きなシャツを着て、だぼだぼのズボンを履く。

茜くんって大きいんだなと実感させられて、恥ずかしくなる。




「お、お待たせしました…」


そろりとドアを開けて茜くんのいるリビングに戻ると、茜くんはタオルで髪を拭いているところだった。

なんだか色っぽいその仕草に、頬が熱くなるのを感じる。




「ああ、俺も入ってくる。
そこにドライヤーあるから使って、あとこれ」



コトン、とリビングの大きなソファーの前にあるローテーブルの上に置かれたマグカップ。

中を見ると、ホットミルクが湯気を立てていた。




「え…」


「冷えただろ」


「あ、りがとう…」



なんだか茜くんが優しすぎて、どうしたらいいのかわからない。

お風呂場に入っていった茜くんを見送って、ほかほかのホットミルクを口に含む。

甘くて優しい味が広がって、心まで温まるようだった。