……こ、これ、茜くんのTシャツなんだよね。
茜くんの匂いがする、私には大きなシャツを着て、だぼだぼのズボンを履く。
茜くんって大きいんだなと実感させられて、恥ずかしくなる。
「お、お待たせしました…」
そろりとドアを開けて茜くんのいるリビングに戻ると、茜くんはタオルで髪を拭いているところだった。
なんだか色っぽいその仕草に、頬が熱くなるのを感じる。
「ああ、俺も入ってくる。
そこにドライヤーあるから使って、あとこれ」
コトン、とリビングの大きなソファーの前にあるローテーブルの上に置かれたマグカップ。
中を見ると、ホットミルクが湯気を立てていた。
「え…」
「冷えただろ」
「あ、りがとう…」
なんだか茜くんが優しすぎて、どうしたらいいのかわからない。
お風呂場に入っていった茜くんを見送って、ほかほかのホットミルクを口に含む。
甘くて優しい味が広がって、心まで温まるようだった。



