「シャワーここだから。
乾燥機も使っていいよ」
「あ、ありがとう…」
「服……は、俺のしかないけどいい?」
「う、うん」
手際よく、自分のTシャツとズボンを私に手渡して、お風呂場に案内してくれる茜くん。
茜くんに、告白して、振られて、きっぱり諦めようと思って来たのに。
それなのになぜか茜くんの家でお風呂を借りているなんて、急展開すぎてついていけない。
「あっ、ていうか、茜くんが先にシャワー浴びてよ!
茜くんだって濡れてるじゃん」
私がそう言うと、茜くんは理解できない、というように眉をひそめる。
「いいからさっさと入れよ」
「ご、ごめんなさい!」
慌ててシャワーを借りて、制服を乾燥機に入れる。
……いつも茜くんがこのお風呂に入っているんだと思ったら、緊張が止まらなかった。



