3秒後、きみと恋がはじまる。








『僕が助けるよ』






私がまだ、小さい、子供だったとき。

私は喘息持ちで、たまに発作が起こっては病院に行っていた。


『もう、病院来たくない!
なんで桃ばっかり苦しいの!?』



病院で泣いては先生や親を困らせていた私は、その日、泣きながら病院を飛び出して。



病院の庭でしゃがみこんで泣いていた私に、たまに院内で見かける同い年くらいの男の子が、声をかけてくれた。



確か、お医者さんの子供だからよく病院に来ているって、お母さんから聞いた気がする。


目が大きくて、可愛い顔で。
子供にしては落ち着いていて大人びていて。





『どうしたの?』



『ひっく……なんで桃だけ、こんなに苦しいの?
みんなは ぜんそく じゃないのに、なんで?』



泣いている私に、彼はしゃがみこんで目線を合わせて。




『僕が助けるよ』


『え…?』