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『僕が助けるよ』
私がまだ、小さい、子供だったとき。
私は喘息持ちで、たまに発作が起こっては病院に行っていた。
『もう、病院来たくない!
なんで桃ばっかり苦しいの!?』
病院で泣いては先生や親を困らせていた私は、その日、泣きながら病院を飛び出して。
病院の庭でしゃがみこんで泣いていた私に、たまに院内で見かける同い年くらいの男の子が、声をかけてくれた。
確か、お医者さんの子供だからよく病院に来ているって、お母さんから聞いた気がする。
目が大きくて、可愛い顔で。
子供にしては落ち着いていて大人びていて。
『どうしたの?』
『ひっく……なんで桃だけ、こんなに苦しいの?
みんなは ぜんそく じゃないのに、なんで?』
泣いている私に、彼はしゃがみこんで目線を合わせて。
『僕が助けるよ』
『え…?』



