3秒後、きみと恋がはじまる。




私のこと、好きじゃないならこういうことしないでよ。

雪音ちゃんの彼氏なら、私のことを追いかけたりしないでよ。


そう思っているのに、追いかけて来てくれたことが嬉しくて。





「……どうした?具合悪い?」



本当に心配そうに、私の顔を覗き込んでくれる茜くんに、こんな時なのに嬉しくなって。


……私、ずるいなぁ。






「……なんで、追いかけて来てくれたの」





ぽつり、とこぼれた言葉。

茜くんは眉を下げて、目を細めて、優しい顔をして笑った。





「助けるって、言っただろ」






その、言葉に。

昔の記憶が、ぶわっと蘇って来た。