3秒後、きみと恋がはじまる。





雪音ちゃんと、付き合ってるのかもしれない。
その噂は、本当なのかもしれない。



ふたりはこれから、ひとつの傘で、私たちが前にしたように、相合傘をして帰るんだ。



茜くんの傘に入れてもらったことが、随分と昔のことのように感じる。




雨の中、小さな傘の下。

世界とは隔離されたみたいに、世界に私たち2人しかいないみたいに感じたあの日。



…茜くん、茜くん。



私、茜くんのこと、こんなに大好きになってたんだよ。




冷たい雨が、頬を伝って。

びしょびしょに濡れた服が重くて、冷たくて。


それでも立ちどまれなくて、雨の中を走っていた。