それから、3時間くらい待って。
それでも茜くんが出てくる気配はなくて、私もだんだん立っているのに疲れてきた。
ビルの入り口の受付のお姉さんも、不審そうに私の方をチラチラと見ている気がする。
「……あ、雨だ」
ポツリポツリと降り始めた雨は、どんどんと大降りになって。
ゲリラ豪雨のように、雨が地面に落ちる音がバチバチと響く。
「……茜くん」
手に持った紙袋の、チョコレートケーキが重い。
なかなか出てきてくれない茜くん。
土砂降りの雨。
私の心にも灰色の雲がかかって、瞳からも涙が溢れそうになる。
と、その瞬間。
自動ドアがゆっくりと開いて、授業が終わったらしい人たちが次々と出てきた。
時計を見ると、もう9時。
外も随分と暗くなってしまっていた。



