「……じゃあ桃ちゃん、俺とデートしようか」
「え…」
「今から、遊びに行こうよ。
パーッと遊んで、気分転換しよう」
郁人くんはそう言って、駅の反対側に歩き始めた。
こんな私のこと、いいと思ってくれて。
今日だってかばってくれて。
そんな素敵な人、いないんじゃないかって。
「甘いもの食べたいな〜。桃ちゃんはクレープ好き?」
「大好き!」
茜くんは、一緒に行ってくれなかったクレープ。
郁人くんと食べるなんて、思ってなかったなぁ。
学校の近くにある、人気のクレープ屋さんでストロベリークリームクレープを頼む。郁人くんは、「俺が誘ったんだから」と奢ってくれた。



