3秒後、きみと恋がはじまる。




「優勝したら有村くんとデートって頑張ってたんだよね…!?ごめん、私、気付かなくて…」



申し訳なさそうな顔で謝ってくれる雪音ちゃんを責めることなんてできないし、そもそも雪音ちゃんは悪くない。


「ううん、私が忘れちゃったんだから私が悪いの!
それに、足も捻ってたし、きっと出ても負けてたと思う……」



自分に言い聞かせるようにそう言いながらも、じわりと目の奥が熱くなる。

泣きそうなことがばれないように俯いたら、少し赤く腫れた足が涙で滲んだ。





…そうだよ、きっと勝てなかった。



私の足はこんなだし、うまく動けないし、それなのに向こうはバドミントン部のエースだし。

雪音ちゃんが無事に保健室にたどり着いたんだから、それでいいじゃんか。


でも……。



決勝戦はクラス総出で応援するって言っていたから、次の試合は茜くんに見てもらえたんだろう。

まあ、茜くんが応援しているのは敵チームなわけだけど。



もしも、もしも勝てたら、茜くんとデートができたんだろう。





……あんなに、練習したのになぁ。


ラケットを握り過ぎたせいで豆もできたし、怪我もしたし、ユリにもあんなに付き合わせたのに。

すごく真剣に教えてくれたユリにも申し訳ないなぁ。