次に私は2日前の佐藤さんと竹中くんの動画を再生した。


ちづは佐藤さんと席が近かったこともありよく話していたから見れないと、画面から目を背ける。



佐藤さんと竹中くんは先ほどの山内くんたちとは違い、しっかりと椅子に座られていた。

ふたりに近づく幾田さんは手になにかを持っていて、それらを両方の口へと目いっぱい詰める。



「ううっ……」


異物を入れられて嘔吐反射している佐藤さんに見向きもせずに、幾田さんはふたりの口から伸びている紐らしきものに火をつけた。


ジリジリと火花を散らして移動していく炎は、佐藤さんと竹中くんの口にどんどん近づいていく。



……あれって、まさか導火線?



気づいたところでどうにかできるわけもなく、炎はふたりの口に詰められた火薬に引火して、ボンッ!!と勢いよく爆発した。


顔の原形がなくなった佐藤さんと竹中くんはそのまま床へと倒れた。



「……っ」


さすがに連続で見るのは、きつい。



食べたばかりの朝ごはんを戻しそうになりながらも、この動画では幾田さんはまだフードを被ったまま。ということは、幾田さんの顔が見られるのは昨日の動画ということになる。



「あ、あず、大丈夫?もう見ないほうがいいんじゃない?」

「……へ、平気」
 

気持ち悪さを必死で堪えて、私は1日前の動画を再生した。