「……それってどういう意味?」
「ちづから聞いたの。前園さんが幾田さんにメッセージや電話をしようとしたけどできなかったって」
「うん。でもそれはライングループから幾田さんに飛んでしようとしただけだよ。メッセージや通話のボタンを押しても反応しなかったってだけの話」
きっと前園さんは私よりも交流関係が多いから、A組専用のライングループでも半分以上の連絡先を知ってる。
だから知らないのだろう。
ライングループで、連絡先を知ってる人と連絡先を知らない人とでは表示の仕方が違うことを。
「私も幾田さんにしようとしたよ。でも幾田さんの連絡先を知らないと、トップ画面を開いても通報、ブロック、追加しか表示されないんだよ」
「………」
「前園さんはライングループの他に幾田さんの個人的な連絡先を知ってたから、メッセージや電話をする表示が出てきたんだよ。……とうして、前園さんが幾田さんの連絡先を知っていたの?」
学校生活から推測してもふたりが話してるところなんて見たことがないし、入学してすぐに幾田さんのいじめは始まったから、それ以降に連絡先を交換するなんてことも普通に考えてありえない。
前園さんは動揺するように瞳が左右に動いた。でも、すぐにゆっくりと説明してくれた。
「私、幾田さんと同じ中学だったの」
再び、前園さんが歩き出したので、私は追いかけるようにして隣に並ぶ。



