「いやいや、命令じゃないよ。むしろやりたくないって断っても私たちは笑って許したよ。ね?」
畑さんの言葉に仲谷さんと磯山さんが深く頷いた。
「そ、そんなのは嘘!やりたくないって言ったらどうせ次は自分がいじめらる。だから怖くて私は……」
「それはあんたの想像でしょ?やればって言って素直にやったのはあんたの責任。今さら私たちのせいにされても困るから」
「……っ、この外道!あんたたちが死ねばいいのよ!死ね、死ね死ね……!!」
「ふ、あはは。負け犬が吠えてまーす」
河口さんの様子に一軍の男女がゲラゲラと笑っていた。
そんな一軍を三軍の人たちは悔しそうに見つめ、どちらでもない二軍の私たちはその異様な光景に黙っていることしかできなかった。
崩壊していくクラス。
いや、最初からきっと崩壊するために集められたクラスだった5もしれない。
みんな心に悪魔を飼っていて、こんな時でさえ〝自分じゃなければいい〟という考えが生まれる。
だから幾田さんは誰ひとりとして許すつもりがない。
予告は続く。これからも。
そして今日も執行される。
「うわああ……っ」と、河口さんが畑さんたちに向かっていったところで、彼女の足がピタリと止まった。
「な、なにこれ……」
突然、首元に触れたと思ったら、苦しそうに床に倒れた。



