二人目の死者が出て、やっと自分たちの状況を把握したのか、急にクラスメイトたちが声を出す。


「俺は悪くない!むしろ可哀想だと思ってました」

「私もタイミングが合えば止めようとしてました」

「ぜんぶ麻生さんや高野くんがやりました」

「だから許してください。お願いします!」


命乞いをするように、「幾田さま」と口を揃えはじめた。


高野くんが目の前でこんなことになってるのに、自分たちのことしか考えてない。

耐えられない。

この状況も、血生臭い匂いがする教室も全部がムカムカする。



「やめてよっ……!」

私はみんなのことを強い目で見た。



誰が悪い?誰が主犯?

そんなのどうでもいい。

ただひとつはっきりしていることは……。



「この教室に無関係な人なんていない。私も、そのひとり」



すると、みんなのスマホが一斉にピロンッと鳴った。


ライングループに届いた幾田さんからのメッセージ。



【追い詰められるのってどんな気分?】

【苦しい?逃げたい?】


【でも、逃がさない】



そして……。




【あと27人】


そのメッセージが表示されたところで、高野くんの予告動画を含む私たちのやり取りがすべて消去された。