その瞬間、「ぎゃあああっ……!!」と発狂したように高野くんがジタバタとしはじめる。

容赦なく切り口が喉仏を部分に差し掛かり、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔でクラスメイトたちのことを見た。



「やめ、て。……やだ、いたい、熱い、やだ……し、ぬ」


動画と同じだ。なにもかも。


「た、すけ、て……」と、高野くんの唇が動いたと同時に、血しぶきが天井に上がる。

側にいた私は血の雨に打たれながら、首だけが落下していく様子を見ていた。



「きゃああっ……!!」

「うわあ……おえっ」

教室では悲鳴と嗚咽が交互に響く。



……ゴロッと、高野くんの首が私の足で止まった。

高野くんの身体は血の海に横たわり、目を見開いたままの高野くんの首と目が合う。


……ハア……ハア……ッ。

息って、どうやってするんだっけ?


呼吸が浅い。自分が立ってるのか座ってるのかさえ、分からない。



「やっぱり幾田の呪いだ」

高野くんの姿を見ながら森元が呟いた。