「あず、私、怖いよ……。もしこれが死んでしまった幾田さんの仕業なら、私たち全員が麻生さんみたいに……」
ちづの声が震えていた。私は恐怖心を共有するようにちづの手をぎゅっと握る。
「だ、大丈夫だよ。まだ幾田さんがしてるって決まったわけじゃないし」
そうちづを宥(なだ)めながらも、幾田さんへの罪悪感が沸々と心の中では沸き上がっていた。
幾田さんの苦しみは、幾田さんにしか分からない。
でも、ひとつだけ分かるのは、幾田さんを自殺に追い込んだのは、私たちだということ。
幾田さんのはずがない。こんなことできるわけがないって、私だけじゃなくてクラスのみんなが思ってる。
だけど、幾田さんにひどいことをしていた麻生さんがひどい形で死んだ。それを、私たちは目の前で見てしまった。
どうしよう。どうしたらいいの……?
答えが見つからないまま、再び部屋にあの音が響く。
……ピロンッ。
天井に届く勢いでドキッ心臓が跳ねた。
気軽に利用していたはずのラインの通知音に怯える日がくるなんて想像してなかった。
私とちづは顔を見合わせて、ゆっくりとメッセージを確認した。
【予告動画 高野伸也】



