前園さんが予告された?
それって……。
「生き残るのは、木崎さんだよ」
ドクンとしたのは、嬉しさなんかじゃない。
「透子が私を許さないことは分かってた。私も許されたいとは思わない。だから……」
「な、なにしてるの?」
前園さんは屋上の手すりに足をかけて、一段低くなっている外側のコンクリートの上に立つ。
足場はギリギリ。いや、爪先の部分はすでにはみ出してして、かかとと、重心をかけている手すりでなんとか落ちずにいる状態だった。
「や、やめて。前園さん。戻ってきて」
私が手を伸ばしても、前園さんは首を横に振るだけ。
「ここは、透子が飛び降りた場所」
そう言って、微かに掴んでいた手すりから前園さんは指先を離した。
「初めから決めてた。透子に制裁されるんじゃなくて自分で選ぼうと」
「やめて、前園さん……」
「ごめんね。木崎さん。木崎さんと友達になれて嬉しかった」
前園さんは優しく微笑んだあと、空を見上げた。
「透子、今行くからね」
「前園さん……!!」
私の呼びかけは届くことはなく、前園さんの身体は暗闇の中へと消えた。



