予告動画





「みんなが透子のことを見下して、みんながひどいことをしてる中で、透子は何度も私に助けてという視線を送ってきてた。……私は庇うどころか、なにも言えずに見てるだけ」


「………」


「私は怖かったの。透子の味方をして、クラスメイトたちから反感を買えば次の標的は自分になる。せっかくいじめから抜け出したのに、またあの日々に逆戻りするんじゃないかって、他人のふりをした」


前園さんがぎゅっと唇を噛み締める。そして……。



「透子はどんなことがあっても私を見捨てなかったのに、私は自分のことのほうが大切で、あっさりと透子を見捨てたんだよ」


一筋の涙を夜風が拐(さら)っていった。



「……じゃあ、どうして予告動画を再生してたの?」


前園さんが見なければ、救える命がたくさんあったのに。



「動画を再生することで、透子がやろうとしてることを……。透子が抱えた無念を晴らす協力をすることが今の私にできることだと思ったから」


「それは間違ってる。だってちづは幾田さんのことを後悔してた。他の人たちだって……」


「関係ない。透子が予告したからには、終わらせるわけにはいかなかった。ただそれだけ」


「……そんなの、そうすることで前園さんが償ってる気になってただけでしょ?」


「……そうかもしれない」