暗闇の中で光を放っている前園さんのスマホ。前園さんはその画面をこちらにゆっくりと向けた。
ドクンッ……。
心臓が悲しい音で鳴く。
前園さんが開いているのはA組のグループライン。〝画面の中にいるちづ〟は今と同じように苦しんでいて、ナイフで腹部を何度も刺されていた。
これは、間違いなくちづの予告動画だった。
「動画を再生してたのは私だよ。木崎さん」
世界が反転しかのように、身体が後ろへと仰け反った。
「う、嘘でしょ、前園さん……」
「嘘じゃない。私が裏切り者なの」
……そ、そんな……。
「……ううっ」
そんな中で、温かかったちづの体温がどんどん氷みたいに冷たくなっていく。
「やだ、ちづ。死なないで……っ!」
苦しみ続けるちづの意識が朦朧としてきている。
「ハア……あず。私が前に言ったこと覚えてる?」
「喋らないで。喋っちゃダメ。今救急車呼ぶから……」
私は急いでポケットからスマホを取り出した。だけど、ちづが止めるようにして私の手を優しく握る。
「あずは……絶対に生き残ってね。あずだけは死なないで……」
「やだ、ちづ、ちづっ!」
「あず、大好き」
そして力が抜けたようにちづ手がだらりとコンクリートの上に落ちた。
同時にちづの呼吸が音もなく止まった。



