ちづは詳しく言わなかったけれど、私と前園さんには伝わっていた。
森元と付き合ってたということ。あいつが清く正しい付き合い方なんてするはずがない。きっとすぐに手を出されて、それでちづはそのまま森元と……。
「自分でもバカだったと思う。でも、それをばらまかれるのが怖くて森元を庇ったり、森元のスマホを触ろうとした前園さんを不自然に止めたりしちゃった」
「……ちづ」
「私、昨日森元が死んだ時、ちょっとホッとしたんだ。そう思ってしまった自己嫌悪で過呼吸になって、やっぱり私はバカなまま」
ちづの声が微かに震えていた。
「でも、もしその動画を森元が流したとしても、関係なかったって今やっと気づいた。だって変わらずにあずと前園さんは私と友達でいてくれるでしょ?」
ちづの瞳から涙が流れたところで、私はその身体を強く抱きしめる。
「……当たり前だよ!」
今まで友達は何人もいたけど、ちづ以上に気が合う人なんていなかった。だから大切にしたいと思う。これからもずっと。
「あず、隠しててごめんね」
「私こそ、疑ったりしてごめん」
取り戻せないものはある。失ったものも数えきれない。
でも、これから築き上げていけるものだってきっとあるはずだ。



