駅を出ると大きな飛行機のオブジェが視界に飛び込んできた。


背の高い木々の奥には、雲一つない青空。



んー気持ちがいい!



「てい!」



両手を広げながらスニーカーで地面を蹴る。


優にぃと一緒にいることが楽しくて、気持ちも跳ね上がる。



「ちょ、何そのポーズ」


「離陸っ!」


「あははっ! 綾ジャンプ力なさすぎ」



わたしの飛行機ポーズが面白かったらしく、優にぃは笑いながらわたしにスマホを向けた。



少し歩くと、東京ドーム何個分かの広い公園がある。


早く行きたかったけど、なぜか優にぃは追い付いてこない。


ずっとスマホを構えたまま。



「って、それ動画!?」



慌てて彼のもとに戻る。


優にぃはわたしを撮ったまま、一歩、後ろへ下がる。


負けずにスマホに顔をぐっと近づけ、レンズとにらめっこした。



「あははっ、珍しいもの見つけた子どもみたい」



そう爆笑され、ぷーっと頬を膨らませながら彼から離れた。