お母さんに日曜は友達と出かけると伝えた。


遊んでないで勉強しなさい、と言われるかと思いきや、


意外と、「友達できたの、良かったわね」と嬉しそうな顔になった。



優にぃの部活が休みになった日曜日。


会うのは電車を乗り継いで40分くらいのショッピング街。



乗り換え駅で迷ってしまい、待ち合わせに10分遅れてしまう。



「ごめん。お待たせ!」



今日は4月なのに25℃を超えるらしい。


七分袖カットソーを着た優にぃは、この前より爽やかで、でも、袖から伸びる手首やごつごつした手に男の子っぽさを感じた。



「もしかして迷った?」


「迷ってない! 一本乗り遅れただけ」


「へぇ~そっかぁ」



優にぃはバカにしたような表情で、わたしの顔をのぞきこむ。


やっぱり優にぃには何でもバレてしまう。


悔しくて、下唇をつきだして反抗のサインを出してやった。