世界で一番似ている赤色



いただきまーす!


おえっ、お前それクリームだらけじゃん。太るぞ。


肉付きいい方がモテるんですぅ~。



カフェで朱里ちゃんと大和くんが言い合いをする中、スマホを確認した。



『買い出しどう?』


『おーい』


『連絡して』



予想通り川瀬くんからのラインが届いていた。しかも連続で。



えーと……。



「大和くん、朱里ちゃん、こっち見て」


「「へ?」」



2人がこっちを見た瞬間、ポポッ、とシャッター音を鳴らす。


これを川瀬くんに送れば大丈夫だろう。



スマホを置き、わたしもミルクレープを食べようとすると。


「ねーなーに? 今の?」と朱里ちゃんが聞いてきた。



「うん。一応、証拠写真みたいな?」


「どういうこと?」


「川瀬が、俺と綾の仲疑ってるから。それで今日は3人でいるって証拠送ったんだろ?」



事情を説明してくれた大和くんに「まあ、そんな感じかな」と答えた。



「川瀬くん、束縛きつすぎじゃない?」



うげぇと嫌そうな顔になる朱里ちゃん。


あはは、とわたしも気まずい笑いで応えておいた。



本当は、わたしだって気軽に友達と遊びに行きたい。



新しい恋に踏み出そうと思って川瀬くんと付き合った。


なのに一緒にいると疲れる。気持ちの差が大きすぎる。