俺は、会食の個室に戻った。

「申し訳ありません。
せっかく集まっていただきましたが、俺の
わがままで結とは結婚できなくなりました。
本当に申し訳ありません。」

俺は、精一杯、頭を下げた。

「海翔、どういう事?」

母さんが戸惑いながら聞いた。

「俺が大切な事をちゃんと結に言わなかった
から、結に甘え過ぎたから、結とはもう一緒に
いられないんだ。
だから、この結婚はなかった事にして
ください。
伊藤さん、俺のわがままで、本当に申し訳
ありません。」

俺は、結のご両親にもう一度頭を下げた。

「子供はどうするんだ?」

父さんが聞いた。