残念な王子とお節介な姫

次の瞬間、結の目から、涙が溢れた。

「結、ごめん。
ひとりで不安だったよね。
これからは、俺がちゃんと支えるから。
2人で、幸せになろうな。

あ、違う、3人で幸せになろ?」

結は、泣きながら、黙ってコクリと頷いた。

そうだよな。

結婚もしてないのに、突然妊娠なんて、不安にもなるし、単純に喜んでばかりもいられないよな。

わざわざ、大阪まで来てくれて、ありがとう。

結は、そのまま帰ると言うから、俺は大阪駅まで、結を送っていった。

だけど、なんだろう?

結の空気が違う気がする。

落ち着いた?

いや、なんだろう?

うまく言えないけど、以前の明るくて元気な結じゃない気がするんだ。