「ん、奈々?」

課長が目を覚ました。

「おはようございます。」

「ん、おはよう。
メリークリスマス、奈々。」

課長がうちを抱きしめる。

「メリークリスマスです。課長。」

「奈々、もう課長はないんじゃない?」

「え? せやけど、他に何てゆうたら…」

「海翔。海翔でいいよ。」

「海翔…さん?」

「くくっ
『さん』はいらない。
呼び捨てでいいよ。
彼女の特権。」

きゃー!!
なんや、それ!?

うち、うち、彼女なんや。

めっちゃ、嬉しい!!

「海翔?」

「うん。」

「ふふっ
海翔、大好き。」

うちは、海翔に抱きついた。

「ん、奈々、俺も好きだよ。」

海翔がうちのおでこにキスをする。

うちは、海翔の手を握った。

ん?

あれ?

右手に違和感を感じて、うちは握った手を離して、顔の前に持ってきた。