「絆、明日、明後日は予定ある?」

「ううん。なんで?」

「会いたいから。」

きゅん…

すごく嬉しい。

胸の奥が仁くんに掴まれたみたい。

「私も会いたいけど、仁くん、明日お休み
なの?」

週末こそ、仁くんは忙しそうだけど…

「北海道でコンサート。
絆、一緒に行かないか?」

「え?」

「絆は、平日は仕事だし、俺は週末はほとんど
仕事だから、一緒にいる時間を作ろうと
思ったら、絆を俺の仕事に連れてくしかない
だろ?」

いや、そうだけど…

「それって、周りの人に迷惑を掛けるんじゃ
ないの?」

私が心配しても、仁くんは素知らぬ顔。

「絆がいない事で、俺が演奏できなくなる方が
迷惑を掛ける。
絆のおかげでいい演奏ができれば、迷惑
どころか感謝されてしかるべきだろ。」

いやいや、それは仁くんの屁理屈では?

でも、私も仁くんと一緒にいたいのは事実で…