そうだよね。

だけど…

「仁くんのも?」

「絆?
仁くんのは、返したくないの?」

私は黙って頷いた。

「桐生くんのは、返してもいいのね?」

「うん。」

「ほら、やっぱり!」

「星は黙ってなさい!」

結ちゃんが星くんをたしなめる。

「絆、なんで仁くんのは返したくないの?」

「だって、嬉しかったんだもん。
仁くんが好きって言ってくれて、すっごく
嬉しかったから。」

「じゃあ、1度その指輪を外して、桐生くんに
ネックレスを返して断っておいで。
桐生くんの事が片付いてから、仁くんに
嬉しかった気持ちを伝えてらっしゃい。」

「うん…」

私がちゃんとしてないばっかりに、章吾さんに悪いことしちゃったな。

でも、章吾さん、分かってくれるかな。