私が最期に言いたかったこと

【空音side】


私は、目の前で起きている出来事に驚きだった。




"スミレ"さんという方に、




自己紹介をしようとしていたのだが───。





何故か、楓先輩に、阻まれた。




その代わりに、楓先輩は────。





「彼女とデート中だから菫邪魔しないでくれるかな?」




そんな事言い放ち放心状態の"スミレ"さんを、





置いて、スタスタと歩く────。




すると、いきなり後ろに振り返り




「ごめん。大丈夫だった?」




といきなり謝ったのだ────。




「大丈夫ですよ。楓先輩!」




「ならいいけど、あいつは……」





「ゆっくりでいいですよ?」




そう安心させるように言った





「空音ちゃん。絶対あいつに会っても、」




「?」





「名乗っちゃいけないよ」




意味がわからず"?" になっていると




「あいつは、悪魔なんだよ」




悲しそうな顔をしてた────。




気づくと私は、自然と先輩の頭を撫でていた




「─ ! ─ え、た…かねちゃん?」




「え、えっとなんかすみません」





すごく傷ついた顔をしていたから




とは、言えなかった。





「えっと、なんで撫でたの?」





「えっと……」





ニコニコしながら言う先輩────。





「せ、先輩?分かってるんですよね?」





「んー?何がぁ?僕わかんないやぁ」





楽しそうだから……このままにしよう





「あ、これってアマリリスですよね?」





「そうだね。こんなに小さくてふわふわしてるけど。これも彼岸花の仲間なんだよ」




「え?そうなんですか?こんなに可愛い花が?」





「そう。もともとは────」





と、色々な、話をしているとあっという間に帰る時間になってしまった。




「あ、じゃあ私は、こっちなので!」





と言い歩き出したのだが────。





「あ、あの先輩??」





「なぁに?」





「『なぁに?』じゃあないです!先輩正反対じゃないですか!!」




「そうだね…少し──いや、結構寂しいなってだから送ろうと思って……ね?」





うぅ……またこの瞳で私に問いかける





「……はぁ。もう分かりました!送っていただきます」




「やったぁ。空音ちゃんやっさしぃ!」






先輩と他愛のない話をしているとあっという間に





バカでかい家に到着してしまった。





─ ギィィ ─





中からは、紳士が出てきた。





それよりも、出てくるタイミングが良すぎる。





「お帰りなさいませ。空音様。」





この紳士の名前は、黒川さんだ。





黒川さんは、楓先輩を見るなり





「お客様ですか?空音様。」





「いえ、ここまで送ってくれたんです。」





「左様でございますか。」





「はい。寒いですし、上がってもらおうと思い、連れてきたんですよ」




すると黒川さんは、ニッコリスマイルで───。





「では、暖かい飲み物を何種類かお持ちしますので、ロビーでお待ちください。」




「分かりました。ありがとうございます。黒川さん」




「いえいえ。お嬢様に、御礼を言われる大層なことなどしてませんから。」




無駄にでかい扉が開き。入ると────。





「お帰りなさいませ。空音様」




婦女達が頭を下げている。






「毎回大丈夫ですから頭をお上げになってください
。」




「楓先輩。私のお部屋に行きましょうか?」






深い意味は、ないがそう言うと────。




「え?!?!────えっと、ロビーでいいと思うんだけど?」




「そうですね。暖炉の前で暖まりましょう。」





楓先輩は、頷くだけだった────